野の花 山の花 8月  秋田駒から乳頭山 3 

ギボウシ

擬宝珠
ユリ科

8月中旬
奥羽山脈
秋田駒付近


 水滴を付けたギボウシが太陽に光る。いまでは、こんな時に山の朝を感じる。山頂で御来光を見ようと言い出す人は誰もいないパーティだ。

 このギボウシは、オオバギボウシではない。茎はしならずに、直立して多くの花を咲かせる。コバノギボウシなのか、ミズギボウシなのか、タチギボウシなのか。


秋田駒から乳頭山

トウゲブキ

峠蕗
キク科

8月中旬
秋田駒付近


 関東や中部山岳では、黄色の派手な山のフキはマルバダケブキだが、このフキは花の付き方が少し違うように感じた。思案しているように見えたのか、通りすがりの人が、トウゲブキとつぶやいていった。

 トウゲブキは東北地方以北に分布するとある。往時山を越えて行った奥州の旅人に思いをはせることも許されるような、自分ではけっこう気に入った名である。遠景は秋田駒ヶ岳。

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ヤマハハコ

山母子
キク科

8月中旬
秋田駒付近


 この山旅ではヤマハハコが目立った。群落をなすと壮観である。

 帰りに立ち寄った八幡平のコンクリートで固められた駐車場の隙間に、この花が咲いているのを見て、あるやりきれなさを感じる人は少なくないはずだ。