魅惑のマイナー星座・星  おすすめの双眼鏡天体

 

かみのけ座 肉眼で観察するには絶望的に暗いが、双眼鏡でとらえると、驚くほど美しい星座である。ゼウスが惜しんだ美女ベレニケの髪の毛はいまも天界を巡る。

 

へび座 蛇使いアスクレピオスの操る蛇はみごとな星列で伸びている。

 

さそり座 蠍の尾にあたる部分に二等星シャウラ Shaula がある。シャウラは一等星に少し足りない最も明るい1.6等の二等星である。銀河が流れる夜は、蠍の尾は光度を増し尾の部分は逆三角系で、巻き込んだ部分がシャウラ、毒針の星である。 この付近にはメシエ天体が多いのも楽しい。

 

いて座は夏の終焉である。蠍座、射手座と輝き続けた南の空は、射手座の通過とともに星のない夜空に移ってゆく。

 

つる座 秋、南の地平線低く一つは白く、一つは赤く、低く並ぶ2つの二等星は好きな星だ。西のα星はAL NA'IR で1.7等光度を持つ。東のβ星2.0等からγ星に向かって伸びる星列が美しい。この星列から空へ飛び立つ鶴の細長い首が連想できる。夏の深夜、鶴座が昇ってくると涼気に秋を感じ、 鶴座が過ぎてゆくと秋も過ぎてゆく。
 鶴座は南天低く相当に目立つ星座であるが、隣の鳳凰座とともに古代のギリシア神話には無い。星座ができた数千年前は、この付近は地平線に沈んでいたのかもしれない。丁度、つる座の反対側にあたる、ケンタウルス座、狼座などはギリシア神話に出てくる。

 

ペルセウス座 中心部にある、α星ミルファク Mirfak 1.7等は、ダブルボタン服のように2列の星列が美しい。ここからアンドロメダ星雲も近い。

 

エリダヌス座 オリオンの腰部から現れるエリダヌス川は三、四等星の星列が二度大きく曲折し地平線へ消えてゆく。その先に一等星アケルナルがあるが、九州南部まで下りないと見えない。古代の世界では、北から南に流れるユーフラテス川がモデルか、北から南へ遡るナイル川がモデルであろうか。 

 

ほ座 シリウスが西に傾くころ、南の地平線をアルゴ船帆座の二等星が幾つかほどよい間隔で並んで通過してゆく、最後の東端の星は印象的な赤い星で冬を送る星のようだ。その後暫くは地平線に星の輝きは無い。再び南の地平線が賑わいだすのはケンタウルス座の登場を待たねばならない。

 

ケンタウルス座  この星座から連想されるαケンタウリなど南十字の指針となる2つの一等星は、残念ながら地平線の下だ。頭部の三等星を主とする山型は容易に見られるがさほどの印象はない。オメガ星雲があるが、未だ特定できない。観測しやすい時期が春で地平線がはっきりしないためだろう。 

 

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