野の花 山の花 12月

ミヤマシキミ

深山樒
ミカン科

12月上旬
青梅市の低山


 一際すばらいしいミヤマシキミがある。その株を見つけてから、数年経つが、実を付けていたのは、その時だけだ。今年はどうだろうか。

 野生になじんでから、花や実は毎年、咲き実るという概念が完全に否定された。
 野生の植物は、時に数年蓄えた結晶を誇るかのように、その僅かな日々を咲き実る。だから惹かれるのだろう。

 付記 ミヤマシキミを別称オクリョウというと、高水山の住職が教えてくれた。千両、万両に対する億両である。
 この株は平地へ移植しても実はならない。その意味では山奥の奥両であろう。
  なお、ヤブコウジには一両、十両の別称もある。

ヤブコウジ

薮柑子
ヤブコウジ科

12月上旬
青梅市の低山


 点々と実を付けたヤブコウジの群落を見ると12月を感じる。今年は特に実が多いようだ。それでも複数の実を付けた株は少ない。3つ付けた株もあったが、日が陰っていた。ヤブコウジは冬枯れの山に散りばめられた贈り物だ。

マンリョウ

万両
ヤブコウジ科

12月中旬
青梅市近郊


 マンリョウの実は鳥の嗜好に合わないらしい。春が終わり夏が来ても実を付けている年もある。
 自然はそんなマンリョウにも、何年かに一度、機会を与えるようだ。実物が不作の年、マンリョウの実も春先には鳥についばまれていた。
 今年はたぶん、いつまでも実を付けていることだろう。


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